風の無い金曜の夕方に椅子に座る

風の無い金曜の夕方に椅子に座る

富士には月見草がよく似合うと、よく知られる名言を書いたのは作家の太宰治だ。
太宰はバスに乗り、御坂山塊を通り、今の甲府へ向かうところだった。
そこで偶然にも一緒に乗った老女が「あら、月見草」とつぶやく。
その一声で、振り返った太宰の目に入ったのが月見草、と、大きな裾野をもつ富士山だ。
富岳百景のこの部分は、富士を話すときに欠かせない。
たくさんの作品に引っ張りだこの、3776mの名山だ。
どの方面から見ても同じく、整った形をしているために、八面玲瓏という表し方がよく合うと口にされる。
その通りだと思う。
私が好むのは夕焼けの富士山だ。

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★★